悩む力


商品説明
情報ネットワークや市場経済圏の拡大にともなう猛烈な変化に対して、多くの人々がストレスを感じている。格差は広がり、自殺者も増加の一途を辿る中、自己否定もできず、楽観的にもなれず、スピリチュアルな世界にも逃げ込めない人たちは、どう生きれば良いのだろうか? 本書では、こうした苦しみを百年前に直視した夏目漱石とマックス・ウェーバーをヒントに、最後まで「悩み」を手放すことなく真の強さを掴み取る生き方を提唱する。現代を代表する政治学者の学識と経験が生んだ珠玉の一冊。生まじめで不器用な心に宿る無限の可能性とは?【目次】序章 「いまを生きる」悩み
目次
- 序章 「いまを生きる」悩み/第一章 「私」とは何者か/第二章 世の中すべて「金」なのか/第三章 「知ってるつもり」じゃないか/第四章 「青春」は美しいか/第五章 「信じる者」は救われるか/第六章 何のために「働く」のか/第七章 「変わらぬ愛」はあるか/第八章 なぜ死んではいけないか/終章 老いて「最強」たれ/関連年表/引用文献一覧/あとがき
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む

在日から始まる人生の苦悩の数々
2012/02/25 07:30
11人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
悩む力 姜尚中(カン サンジュン) 集英社新書
1日あれば読み終えることができる文章量であり読みやすい。夏目漱石の研究書のようでもあります。目次に並んでいる項目は、人として生きていくうえで、重要かつ重くて深い事柄です。自問自答を続けて、悲観することが人間の性分なのでしょう。作者は自身の国籍のことで、若い頃に傷ついたり迷ったりしています。日本人には体験することがない苦痛です。
他人が周囲に居ないと自分が成り立たない。これは、「二十歳の原点」高野悦子著に通じます。彼女は親族・他者を排除した結果、最後は鉄道に飛び込んで亡くなっています。周囲の人間との関わりがなくなると人間は病気になったり死んだりします。
いつまでも親がわたしを守ってくれるという思い違いをしているこどもさんが多くなりました。付け加えて、いつでもどこでもだれかがわたしの面倒をただでみてくれるという意識のお坊ちゃまやお嬢さまも増えています。
「知ってるつもり」は「お金持ちのつもり」にも通じます。日本人は経済的に豊かになったのではなく、借金がしやすくなっただけなのです。
「悩む人間は水準が高い」という言葉に対して、気の持ちようという言葉もあります。川の流れにたとえてみると、常に流れていることが必要です。流れに逆らわずに、という条件が付きます。停滞は水の濁り(にごり)や澱み(よどみ)につながります。
宗教については、信じる者は救われるということはあります。信じない者は救われないということはないと思いますが、何かを信じて寄りかからないことには、生きていくことはとてもつらい。
お金があって働かない人たちのことが書いてあります。たとえお金があっても、働いていないということは、一人前の人間ではないという社会の評価があります。
「どこかで線を引く」という言葉はいい言葉です。
高齢者に関する言葉は遠慮があるようです。
最後の固まり部分は、無理をしてページを文字で埋めたという感がありました。頭でっかちな部分がありますが良書です。
悩み続け、突き抜けていこう。
2011/03/18 11:41
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代人の悩みとして「私とは」「何のために働くか」など幾つかのテーマについて著者の意見を著している。一言でまとめれば「真面目に悩め」。
著者が強く関心を持ったマックス・ウェーバーや夏目漱石を手がかりに展開するところが多いので、このあたりを少しは知っていないと理解しづらいかもしれない。しかしあまり知らなくても、「悩め」という主旨は伝わってくる。
細かいところには著者に賛成できないところもあったが、常に悩む姿勢は大事だと思う。悩むというより考えて選ぶ、と言ってもよいだろう。
現実の社会現象を見ると、人間はあるひとつの方向に向かって走り始めるとどんどん加速し、行き過ぎては反論が現れて今度は別の方向に走り始めるようなところが多く見られる。振り子のように振れるのも、悩んでいる証拠なのかもしれない。実はある方向に突き進んでいる間だけは、勢いに任せていて悩む必要がない、思考停止の安らぎの時間だったりすることもあるのではないだろうか。
人間は何かを信じないと落ち着かない。しかし自分も、取り巻く環境も変化する。相手のあることなら、相手により価値観が異なることもある。その中で納得した選択をして生き抜くには「真面目に悩む」しかない。そして、悩みぬいて突き抜けてたくましく生きよう。
悩み続けること、できるだけ柔軟に調整をし続けること。それは簡単なことではない。多分小さいことからはじめて、思考停止しないで「悩む力」を少しずつつけて行くことが大事なのだろう。子どものころに叱られて、失敗にも耐える力を少しずつ蓄えていくように。本書が教えているのはそういうことだと思う。
*本書を読んでいる途中で3.11の地震があった。そのために本来の本書のメッセージと違うものを読み取ってしまったかもしれない。被害は私の住んでいる千葉県でもあった。甚大な被害の県に比べればまだまし、しかしできることは限られる。それぞれの場所で、どうしたらよいか悩み、よく見極めて行動するしかない。それを突き抜けていこう。そして、何年か後、ここから学んだことが少しでも次への力となっていることを望みたい。
流されないで立ち止まる大切さ
2020/07/07 19:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
普段私たちは思い悩む時に、どれ位の力を注いでいるでしょうか?
情報化社会と呼ばれて久しい年月を経たこの現在に於いて、ベルトコンベアーのように軽薄な生き方で人生を過ごすのではなく、川の流れに竿を刺してでも踏み留まって悩み、そして考えあぐねる事を経験してこそ『生き甲斐』を得られるのではないか、と言える気がします。
本書では漱石とウェーバーの二人を挙げ、様々に論述してあります。漱石については今一度、ウェーバーについては『プロテスタンティズム~』を読んでみようと思います。
おもしろい!
2013/03/21 01:06
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:へぼ釣り師 - この投稿者のレビュー一覧を見る
わがままを認識させてくれるような本、社会に不足している感覚を呼び起こしてくれるような本!です。
漱石、ヴェーバーと悩む事
2009/02/08 14:22
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鯖カレー - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は題名に「悩む力」とあるが、悩む力を向上させるようなハウツー本ではないということくらいは、明らかなことである。
本書は「悩む」という行為にスポットをあて、漱石とヴェーバーを例に、どのように悩んで行くか、を著者の体験をからめひも解いて行く。
だから共感出来ない人物も当然いるだろうし、万人に当てはまる本であることもない。しかし、漱石とヴェーバーの二人の思想に触れることもでき、様々な点で参考になる事もある。そこから読者の思考は発展していく。
読んで無駄になる事はないだろうし、無駄にしてしまうのはもったいない。
読者を選ぶ本である。
姜尚中からの「手紙」
2009/05/03 12:06
8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは姜尚中からの中高生への手紙である。「悩むことから逃げるな」というメッセージである。
この本で立てられている8つの問い
1 「私」とは何者か
2 世の中すべて「金」なのか
3 「知ってるつもり」じゃないか
4 「青春」は美しいか
5 「信じる者」は救われるか
6 何のために「働く」のか
7 「変わらぬ愛」はあるか
8 なぜ死んではいけないか
は、人間が生きていく上での根源的な問いである。人生のどこかで一度はぶつかる問題なのだが、多くの人はそのとば口で佇んでいるうちに時が流れ、いつしか頭の隅に追いやり、やがて若さゆえの迷いなどという言葉で結論を出した気になって、忘れ去ってゆく。
しかし、姜尚中はこだわれと言う。こだわり続けよと。この本で問いの答えは示されない。この本で示されるのは、考えるための手掛かりと、その答えは一人一人が独力で獲得しなければならないということである。これはまさしくアイデンティティの確立と同じで、結論を言葉で示しても、そしてそれを言葉で理解しても、駄目だからである。自ら突き詰めて、行き詰まった後にしか訪れないブレイク・スルーの先にしか、意味ある答えにはたどり着けない。そして、ときには、たどり着いたと思った答えが、さらなる脱皮を必要とする。答えは彼岸にあるからである。
最終章は、残念の一言に尽きる。がっかりである。読まなくていい。いや、読まないほうがいい。あとがきが最終章だったら、星一つ増えただろう。
悩む力
2018/06/25 08:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ああ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いまいち頭に残る内容がなかった。
悩んだ末に横着になれ。そして、破壊力を持った
人になれ。
、んーー悩む
2008/10/01 00:13
10人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ショートチョット - この投稿者のレビュー一覧を見る
文章を書くには、相当のストレスがないと書けない人もいる。
何かにそうとう悩み、傷つき、行き場のない怒りを内に秘めてエネルギーの増殖炉に転換する。
しかし、そういう人ばかりではない。同じ境遇を全く別な感じ方をする人もいる。
同じ出来事でも、違うとらえ方がある。解釈フィルターが違うのである。
人は、それを脳天気だの、お気楽だのと揶揄し、ひがむが、人それぞれだと思う。
フィルターを取り替えること。知ってしまえばコロンブスのエッグだが。知るまでは遠い道のりなのかもしれない。「遠回りに見える近道」は人間には見えにくいものである。なぜなら感情が目をくらませるからだ。ついでに思考をもくらませるからだ。
本書のタイトルは「悩む力」とするより「私の悩んだ事柄エトセトラ」とした方が良心的だと思う。もちろん、売上に影響すると思われるが。私にとっては星1つ。(逆に珍しい)
悩むことが生きる意味への意志につながっていく
2023/04/25 06:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
漱石とウェーバー。約100年前に生きた二人。彼らの生きた時代と現代に相似して見られる諸問題を、悩める彼らの足跡を踏まえて考える。悩むことが生きる意味への意志につながっていく。200ページに満たない厚さ。当然ながら各章の考察には物足りない部分も感じる。しかし、読書は簡単な答えを得るためのものだけではなく、ここを入り口に調べ、考え、悩むためのものであってもよいだろう。漱石の作品を読み直し、論説や講演を紐解いてみる。あるいはウェーバーにチャレンジするのもいいだろう。進む距離は少なくても濃厚な時間を得られるはず。

実施中のおすすめキャンペーン


